鉄砲場
  三宅島の見所スポット[ 阿古エリアのジオスポット ] 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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  阿古エリア
  阿古エリアのジオスポット
    1コシキ火口
    2メガネ岩
    3笠地
    4七島展望台
    5鉄砲場
    6鉄砲沢
    7今崎海岸
    8薄木 溶岩流
    9新澪池跡と新鼻新山
    10 富賀浜

村営バス「鉄砲場」から徒歩5分

鉄砲場
〜1983年噴火 溶岩流で埋まった自動車〜
1983(昭和58)年10月3日の噴火は、雄山南西山腹450mの二男山(じなんやま)付近で噴火が始まり、
割れ目が上下に拡がって、90ヶ所以上におよぶ火口が開きました。噴出したマグマは、
溶岩流となって3方向に谷を流れ下りました。
桑の木平カルデラ(標高300m付近にある古い時代の大噴火で形成された凹地形のこと。三宅島火山は
中腹の桑の木平カルデラ、山頂部の八丁平カルデラをもつ3層構造で形成されています。)の最も低いところを
越えた最大の溶岩流が、まさにこの場所を通過し阿古の集落へ押し寄せていったのです。

この付近には、自動車修理工場があったのですが、
ここに放置された車も溶岩に飲み込まれてしまいました(看板左手上部に見えています。)。

噴火が始まったのは15時15分ごろ、ここに溶岩流が到達し都道を横切ったのが17時20分ごろ。
阿古集落からの島民を乗せた11台目の最終の避難バスが、北へ向かって通過してからわずか、10分後のことでした。
[ GEO POINT ]溶岩流 Lava flow
ここの溶岩流の断面は、都道を開削したときに露出したものです。溶岩流の断面を観察してみましょう。
溶岩流の厚さ、表面や下面がガサガサしていること、内部が緻密(ちみつ)であること、
などに注目して観察してみてください。
なお都道を夕景浜のほうに下った道沿いにもよく断面が露出しています。

2000(平成12)年噴火により、この溶岩流の上を泥流が流れるようになったため、
現在では砂防ダムを築いてこれを防いでいます。

ジオスポットの草刈りをしていたタクシーのおじさん

ジオスポット「鉄砲場」は噴火の災害の痕跡を示すスポットで、 三宅循環(都212)線を阿古から伊ヶ谷に向かって進むとその途中にあります。でもせっかく案内板があるのに薮まみれで、そこになにがあるのか全く分からない状態でした。通りがかった時には島のタクシーのおじさんが蔓延る雑草を草刈りしていましたが、原チャリで通りかがった島のおばちゃんは、なぜそこで草刈りをしているのか首を傾げている様子です。





ジョキジョキジョキジョキ・・・

1983(昭和58)年に発生した噴火で噴出したマグマは谷を流れ下って阿古集落に押し寄せましたが、ここはちょうどこの場所にあった自動車修理工場の車が溶岩に飲み込まれてしまった地点です。溶岩に飲み込まれた車の残骸が崖に露出した溶岩層の中に残されていて、それがジオスポットとして登録されているんですね。

鉄砲場の名称は、鉄砲水などのように急激な流れで押し寄せた溶岩を意味して名付けられているので、鉄砲といっても火薬を詰めてズドンとやるあの鉄砲ではないです。





なんと、ぶ厚く巨大な溶岩層の崖の中に乗用車の鉄塊が!

おお、これですか! 草刈りが進むにつれて、薮に隠れた溶岩層の崖が見えていきましたが、するとサンドイッチのように岩の間に押し潰された乗用車とおぼしき鉄の塊が姿を現しました。ほとんど原形をとどめていませんが、溶岩の中に埋もれてまるで化石のように一体化した様子が凄まじかったです。

噴火の生々しさを伝える物としてこれは眺める価値がありますが、せっかくジオスポットに指定してもその後は放ったらかしで「草ボーボーになっているのはけしからん」とタクシーのおじさんは嘆いておられましたが、うん、確かにその通りだぜぇ!

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