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大路池の照葉樹の森を代表する迷子椎 |
アカコッコ館の脇から大路池北岸の桟橋にへに向かって砂利道を進んでいくと、途中にある三宅村指定天然記念物「迷子椎」です。大路池を取り囲む森はアカコッコなど希少な野鳥が自慢ですが、その一方でスダジイやタブノキの巨木や古木もまた素晴らしく、樹齢600年といわれる迷子椎は森を代表する古木なんですね。
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御神木として拝められてきた「迷子椎」の説明板 |
迷子椎 | ||
古代人は噴火は神のなせる業であるととらえ、これを御神火とよび神として祀ったのである。 この椎の大木は噴火を司る神が宿る神木であるといわれ、 「やどり木」と名付けられ数百年の昔から大切にされ、みだりに近づくことさえも禁じられていた。 また、この密林に迷い込んでもこの大木を目標にすれば助かるといわれ、 「迷子椎」ともよばれている。 島に異変の起こるたび、この木に宿る御神火のいかりを鎮めようとする島民 の切なる願いが、 どれ程こめられてきたことであろうか。 この大木に刻まれた年輪は、 噴火とともに生きぬいてきた村人の生活と苦悩を語る唯一の証人とも言えよう。 三宅村 |
有史以前の昔から度重なる噴火に見舞われてきた三宅では、噴火は神のなせる業として恐れられてきました。厳しい島の生活のよりどころとして至る所に祠が祀られ、また、森の中で迷ったとき目印になるほど大きいこのシイの木は、その巨木さゆえに御神木にされてきたというわけか。ちなみに島民が「やどり木」と呼んだのは、寄生木ということではなくて「神様が宿る木」という意味です。 今、この木を眺めても自然豊かな森の巨木や古木くらいにしか思いませんが、昔の島民は噴火が発生するたびに、生きるか死ぬかの必死の祈りや願いが捧げたといいます。よくあるパワースポットなどという軽々しいものではなくて、島民の苦難の歴史の生証人であり、それを思うとただの古木にはとても見えませんね。 |
三宅村指定の天然記念物になっています |
三宅島は巨樹の島としても知られており、巨樹林探索ツアーなども行われていますが、「三宅島巨樹の会」によって島内に2500本以上の巨樹が確認されており、そのうち1000本以上が大路池と坪田林道周辺で発見されているらしいです。 その中でも迷子椎は幹周り7.5m、樹高15mで樹齢が600年にもおよぶスダジイの巨大な古木で、1972(昭和47)年2月20日に三宅村の天然記念物にも指定されました。 |
倒れないよう支え木でサポート |
数々の噴火を生き抜いてきたスダジイの古木は枝の広がりも大きいです。自力では広がった枝の重さに耐えきれないのか、倒れてしまわないようにサポートされていました。 2000(平成12)年の噴火では多くの巨樹が枯死したそうですが、天然記念として保護されているためか、緑の葉をフサフサと繁らせて状態は良さそうだな。ちなみにスダジイの寿命はだいたい300年。迷子椎はざっと2倍の寿命を生き抜いてきたんですね。 |
御神木に相応しい威容を誇る迷子椎 |
いやー、それにしても凄い存在感! 神を宿すに相応しい風格がありますね。三宅島では残念ながら、2000(平成12)年の噴火では多くの巨樹が枯死してしまいましたが、迷子椎にはまだまだ頑張って長生きしていただきたいものです。
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