阿古エリア 阿古エリアの見所スポット 1錆ヶ浜船客待合所 2阿古漁港 3いきいきお魚センター 4土屋食品 5三宅島郷土資料館 6ふるさとの湯 7ふるさと味覚館 宙 - SOLA - 8レンタバイク朝信 9火山体験遊歩道 10 富賀神社 11 富賀浜 12 新鼻 13 新鼻新山 14 錆ヶ浜 15 夕景浜 16 人形岩 17 村営牧場跡 18 噴火災害保存箇所 19 笠地観音と若返りの珍木 20 差出神社 21 火戸寄神社 22 荒島神社 23 阿古集落跡 |
まずは海岸伝いに延びる静かな村道を進みます |
三宅島一周道路(都212号線)から村道を富賀神社へと向かい、 神社を過ぎてさらに進むとやがて海岸が見えてきます。水平線の果てしなく広がる紺碧の海を眺めつつ海岸伝いに村道がひっそりと延びており、それをたどっていくと・・・。
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目の前に広がる紺碧の海の青さにまず感激です! |
その先に「富賀浜」と「磯場案内」の案内板が立っていますが、ここが富賀浜の入口です。訪れたのは島が観光客で賑わうGWの最中だというのに、辺りに人の姿はなくて誰もいませんね。海風と波の音が聞こえてくるだけで本当に静かな雰囲気でした。
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これを眺めれば小さな岩礁の名称までバッチリ! |
富賀浜の磯場案内板。おお、あるわあるわ。上から順に「赤根」「コマンバ」「間鼻」「ハナレ」 「オカダ」 「オタセ」 「ミチナシ」 「コサキ」「ミズガエレ」「ホオズシロ」といった珍妙な名称が海岸伝いの岩礁に名付けられているようです。 おそらく、見た目的にはどれも同じような岩礁なのでしょうが、一体どのような岩礁なのか興味をそそられてしまいます。「ミズガエレ」なんて由来が全く不明だし、「オカダ」なんて人の名前そのものじゃないですか。 |
富賀浜の魚が紹介されているダイビング用の案内板 |
これは「三宅島生息海洋生物之図」と記された富賀浜のダイビングスポットの案内板です。「アオブダイ」「ゴマテングハギモドキ」「タカベ」「クマノミ」「ブダイ」「ハマフエフキ」「イスズミ」「ニザダイ」「カマス」などの魚がイラストとともに記されており、テーブルサンゴの位置も記されていました。 タカベやカマスは塩焼きでしばし家庭の食卓にもあがる魚なので知っていますが、他は映画のニモで有名になったクマノミ以外はあまり馴染みのない魚ばかりだな〜。 |
最高のシチュエーションで海が望める富賀浜 |
磯場案内板の脇にある海岸入口から波打ち際までWRで向かってみます。でも富賀浜の海岸は切り立つ岩礁の海岸なので、乗り入れられるのはこの辺りまでですが、それにしても素晴らしいシチュエーションです! 周囲には視界を遮る物や、せっかくの景観を台無しにする人工物もまったく見当たらない自然のままの海岸風景でした。
そして荒波が打ち寄せる富賀浜の水面下では回遊魚、熱帯魚がおりなす美しい海中景観が見られ、珊瑚礁の北限にもなっているため、海の特別保護地区である「海域公園」に伊豆諸島で最初に指定されています。 指定されたのは1994 (平成6) 年のことでしたが、 2010(平成12)年の改正自然公園法の施行によって、 海中公園という名称は、 今は「海域公園」という呼び名に変更されています。 |
黒潮押し寄せる富賀浜の海岸からは三本嶽が水平線上によく見えています |
おお、あれは三本嶽じゃないですか! 強い風が吹きつけてさざ波立つ水平線上に3つの巨大なが岩礁が突き出すように浮かび上がっていますが、大野原島と呼ばれる三本嶽はカンムリウミスズメの繁殖地にもなっているんだよなぁ。 海岸から三本嶽までの距離はおよそ9km。 子安根、 エビ根、 大根の3つが見えているので 「三本」と呼ばれますが、実際には10余りの岩礁が集まっています。 9kmも離れているのにあの大きさなので、岩礁の巨大さがわかると思います。 |
波打ち際は海に突き出た溶岩の険しい断崖に! |
正面の洋上に三本嶽を望む海岸地点ですが、波打ち際はこのような荒々しくて近寄り難い岩礁の断崖になっています。これが三宅島ではなくて本土の海岸だったならば、自殺防止や立入禁止の柵でも張り巡らされているのでしょが、ここにはそのような景観を台無しにする無粋な物はなに一つありません。
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割れ目に押し寄せた海の水が激しく白い飛沫を上げています |
うひゃぁー、これではとても近寄れません! たぶんここは磯場案内板に「オカダ」もしくは 「オタセ」と記されていた地点ですが、 荒々し過ぎる光景は1643 (寛永20)年の噴火で海に流れ込んだ溶岩流が作りだしたもの。高さ数メートルにもおよぶ割れ目のような断崖が溶岩地帯に複雑に切れ込んでいます。
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溶岩台地の広がる富賀浜海岸「間鼻」付近の眺め |
富賀浜右手方向の眺めです。海岸に沿って「ハナレ」「間鼻」「コマンバ」「赤根」などと名付けられた岩礁が続きますが、見た目的にはどれがどの地点なのかよく分かりません。海岸は溶岩流のなだらかな台地となっており、その端が波打ち際で海に落ち込んで断崖になっているんですね。 草が茂って遠目には牧歌的な牧草地帯のようにも見えますが、その下にはザクザクなスコリアとゴツゴツな溶岩が隠されています。背丈の低い草以外に樹木が1本も生えていない状況が、海岸の厳しい自然環境を物語ります。なお、「ジオスポット富賀浜」はこの海岸をさらに進んだ先にあります。 |
富賀浜の海岸地帯の地面 |
かがみ込んで地面を眺めてみると、地面は溶岩で形成されていることが分かります。細かなザクザクとしたスコリアっぽい溶岩の地面が広がっていました。う〜ん、やっぱり富賀浜の海岸もかつての噴火による溶岩でできているんだなぁ。
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富賀浜の海岸からは19km離れたお隣の御蔵島もよく見えています |
そして正面やや左寄りには御蔵島の島影が! 富賀浜からは標高851mの「御山(おやま)」を頂点として、お椀を伏せたようなシルエットがよく見えています。島の正面中央部分が御蔵島港あたりでしょうか。 御蔵島は三宅島南南東19km、周囲16.4kmのほぼ円形をした島で、ぐるっと取り囲む海蝕崖が特徴的な火山島。断崖は最も高い地点では480mにもおよぶそうで、東洋一の高さを誇る断崖だそうです。それにしてもよい眺めだな! |
伊豆諸島の離島の美しい海岸風景に感激! |
あぁ、美し過ぎる海岸です! 富賀浜左方向を眺めてみますが、水平線を望むキラキラと光り輝く青い海。その場で固まったように時間を忘れてたたずんでしまい、伊豆諸島の離島の海岸の美しさをぐっと感じてしまいます。 「ミチナシ」「コサキ」「ミズガエレ」「ホオズシロ」の岩礁が続いていますが、岬のようにぐっと突き出ているのがホオズシロかな。三宅島の中央にそびえる雄山から海岸へとなだらかに下る斜面の傾斜がよく見えていました。 |
これに腰掛けて海を眺めながらたたずみます |
危険防止の柵はもちろん、ベンチもなかった富賀浜ですが、その代わりこんな物がありました。切株を利用した環境に優しい丸太椅子です。これなら風景の中に余計な物として入り込まないので、海を眺めなが静かにたたずみたい場合にぴったりだな。
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富賀浜からは新鼻新山までの荒々しい岩礁の海岸が見えています |
海に大きく突き出た「ホオズシロ」の岬をさらにアップで眺めてみますが、この岬は溶岩流が海に流れ込んだ大昔の痕跡なんだよな〜。雄山から下る山腹の斜面をそのような傾斜で溶岩が流れて海に達したのかがよく分かりますね。 そしてホオズシロの先をさらに眺めてみると、その先には海に突き出た「レンズシロ」と「ハナレ」の岩礁が見えていますが、その付け根部分で三角形に盛り上がっているのが「新鼻新山」。1983(昭和58)年の噴火で噴出された岩石や火山灰が積もって形成された火砕丘です。う〜ん、それにしてもダイナミックな眺めだぜぇ! |
オフバイクだからこそ楽しい場所 |
このような場所まで気軽に走れてしまうのが三宅島ですが、いかに機動力に優れたオフバイクでもこれ以上の前進は控えておいた方が無難かな オフバイクといえば普通は「山」のイメージですが、実は意外にも違和感なく「海」と似合ってしまうことを知ってしまった記念の一枚です。しかし、このダイナミックな景色の中では、さすがに島のボロいレンタルスクーターでは様にならねーし! |
海面下の岩礁で水面が大きく盛り上がる「オカダ」の岩礁 |
うわぉ、これは凄げぇや! 基本的に波打ち際は高く落ち込む断崖で危なくて近寄りにくいですが、それでも断崖そばまで歩いて進める部分があったので、足元に気をつけて「オカダ」の岩礁へと接近、その姿を間近に眺めてみます。 これはおそらく水面下に大きな岩礁が隠れているのでしょう。ちょうどその部分の海面がグワーッと大きく盛り上がって激しく白波だっている様子が物凄かったです! 白波の下に隠れた黒い岩礁が僅かに透けて見えていました。 |
音もなく静かに滑るように沖を進む三宅島の漁船 |
やや、沖合をゆく一艘の漁船が! 強風に吹かれながら海面下の岩礁で白波立つ海を見下ろしていると、ちょうど富賀浜の沖をするすると漁船が横切りました。 見たところ 10 トン前後の日帰り操業の漁船ですが、 三宅島周辺の魚場でキンメダイやメダイを狙っているのでしょうか。それともカツオやマグロ? こうして島の漁師さんが魚を獲ってくれるおかげで、美味い魚が食べれられるんだよな〜。 |
断崖直下をのぞき込む勇気はなかったです |
あわわわ・・・。 これは怖い! なんやかんやで海に落ち込む断崖の端までやってきましたが、さすがに直下の海面をのぞき込むのは勇気が要りますね。落ちたら岩礁に叩き付けられて絶対に助かりませんよ。風も強くて危ないのでこれ以上はムリ!
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波が砕けて揉まれてできるメロンクリームソーダ色の海水がとてもきれい! |
ザザザーーン !! 水中に隠れたオカダの岩礁に波のうねりがぶつかり、 激しく白波だって盛り上がる水面です。眺めも凄いけど、波の音もまた凄かった! もしもあの海面に落ちたならば、あっという間に波に飲まれて海底に沈められてしまい、それこそ二度と海面に浮かび上がることはできないんだろうな! しかし、岸から眺めるぶんにはとてもきれい。そのすぐ脇の海水は深い青色なのに、そこだけメロンクリームソーダの色ををしています。海の色って一言で「青」と言い表されますが、こんなにも多彩な色合いを見せてくれるんですね。 |
溶海に突き出た岩地帯に小さな入江ができていたオタセの岩礁 |
富賀浜の海岸には断崖となった岩礁の切れ目が入江のようになっていた地点もありました。磯場案内板で岩礁名は分かっていても、残念ながら正確な地点ははっきりと特定できなかったですが、ここは「オタセ」の岩礁かな? このように突き出た溶岩の岩礁もダイナミックですが、ここは海水の色が涙がこぼれるほど美しかったです。水深の関係でしょうか。水平線の広がる沖の海の色と、入江の中に押し寄せて来る海水の色が全く違いました。 |
入江の奥に押し寄せるうねりが砕けて周囲に潮の飛沫が舞い上がります |
岩礁に小さく食い込む入江の様子をもっとよく眺めてみますが、さすが三宅島! 海は透明度が驚くほど高く、入江の入口地点では海底の岩がここから透けて見えており、入江に侵入したうねりはそのまま断崖にブチ当たって白く激しく波だっています。 その激しさはこの地点まで潮の飛沫がしぶきとなって跳ねてくるほど! あんまり過ぎる白波立ち具合で波に洗われる岩石がぼやけて見えていましたよ。しかし、ちょっと風のある平常時でこれなので、台風時には想像もつかない猛烈な状態になっていることだと思います。そりゃあ、断崖だって侵蝕されるわけだわなー。 |
富賀浜の海岸を覆い尽くす溶岩流の造形もまた見所! |
なんじゃこりゃあ! そのように激しい波打ち際を形成する富賀浜の溶岩流ですが、見た目の形状も凄まじい物がありました。ゴツゴツと角張った物や、ベチャ〜っとテーブル状になったものなど、自然が作りだす造形に眺めていて全く飽きがきません。 しかも驚くのは、この溶岩は無数の岩石が積み重なっているのではなくて、これら全てが一つの岩盤状になっていることです。噴火時に海に流れ込む溶岩流がそのまま固まっているんですね。そこに太平洋の強烈な荒波が休むことなく打ち寄せ続けた結果、このような険しく過激なカタチになったわけか! 尋常じゃないです、ここは! |
海岸の背後には荒涼とした溶岩台地が広がるのみ |
富賀浜の海岸を一回りしたらWRの所に戻りますが、富賀浜の背後はこんな感じかな。草と低木だけが生える溶岩台地の起伏が連なり、人工物はなにもありません。自販機はもちろん、公衆トイレやベンチ、四阿などの観光施設はなに一つないですよ。 なお、気候の穏やかな春の頃はなんともないですが、夏は照りつける直射日光でさぞかし暑いと思われます。なので、もしも夏に訪れる時は飲物の持参を忘れずにね。 |
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