噴火災害保存箇所
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都道の歩道の脇にずらりと並べられて保存された噴石

三宅島一周道路(都212号線)を大路池から阿古方向に向かって進んでいくと、薄木付近で見かけるのが「噴火災害保存箇所」です。都道脇の歩道に大きな岩石が無数に置かれて案内板が立っており、三宅島を一周するときに必ず通りがかりますが、案内板を読まないと、ここがどのような場所だかわからないと思います。

わざわざ訪れる観光客の姿もまずなくて、通りがかる観光客のレンタカーも素通りする全く目立たないスポットですが、歩道の脇に置かれた岩石は昭和58(1983)年の雄山噴火で飛来してきた噴石や火山弾の実物なんですね。噴石は三宅島郷土館にも展示されていますが、ここではそれを直に手で自由に触ってみることができますよ。






噴石や火山弾が飛来してきた場所に立つ案内板
噴火災害保存箇所
昭和58(1983)年10月3日午後3時すぎ、二男山南西部において割れ目噴火が始まり、新澪池では水蒸気爆発が起こった。
巨大な岩塊が飛来落下し、これら岩塊により樹木・建物は著しく破壊され、都道にもその傷跡を残した。
ここに保存した旧歩道は、当時の噴火活動のすさまじさを、ものがたるものである。
東京都三宅支庁
へえ〜、なるほどねぇ。噴火で飛来してきた岩塊や火山弾が保存されていると同時に、それらが直撃した噴火当時の歩道も併せて保存されているみたいだな。






昭和58(1983)年の噴火で飛来してきた巨大な岩塊が!

うわ、これはデカい! 歩道にそのまま残されて保存された巨大な噴石ですが、大きさは軽く両抱え以上もありました。爆発的な噴火が発生すると火口から岩石が吹き飛ばされますが、大きな噴石ほど破壊力が大きいのは当然で、直径50センチメートルを超える噴石は風の影響を受けずに火口から弾道を描いて飛んでくるみたいです。






一度は再建されたのに二度の噴火でこのように・・・

飛来してきた噴石や火山弾の大きさは大小さまざまで、大きいのやら小さいのが無数に散らばって、当時の歩道に直撃した時のそのまま残されています。

噴火による噴石は火口の周辺2〜4キロメートルほどしか飛来しないそうですが、直撃を受けると人が命を落とすこともある危険な現象ですが、昭和58(1983)年の噴火では幸いなことに人的被害はありませんでした。






噴石地の立札が建てられていた旧歩道

噴石の直撃を受けた歩道の脇に立っていた「噴石地 残地」の立札。噴火の痕跡が大規模で残る火山体験遊歩道や村営牧場跡はよく知られていますが、う〜ん、それにしても三宅島ではこのような噴火スポットまでもが残されていたなんて!






現在の歩道脇に保存された噴火当時の旧歩道と飛来してきた岩塊群

都道沿に続く噴火災害保存箇所。火口から飛来した岩塊が歩道に直撃、めり込んだ衝撃でアスファルトにひび割れが走り、当時の落下状況がよく分かりますが、同時にこの場所では噴火当時の歩道もそのまま残して保存されていることも分かります。

観光パンフレットに紹介されないことも多くて三宅島の噴火災害系のスポットでは目立たない場所ですが、現地に立って噴火当時の様子を思い浮かべると、メテオの雨状態で火山弾が降り注ぐ様子が容易に想像でき、あらためて火山噴火の威力の凄まじさを感じてしまいます。ここは通りががかったらぜひ立ち止まって眺めておきましょう。

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