下根崎
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湯ノ浜漁港から右手の遠方に見えている下根崎

神着で都212号線(三宅一周道路)から湯ノ浜漁港に向かい、そのまま漁港を過ぎて道なりに進むとすぐに見えてくるのが、大きく海に突き出た「下根崎」です。地理院地図にも地名が記されている岩礁の岬ですが、道を外れてゴツゴツとした溶岩質の地面を進める場所があったので、よく眺められる場所まで場所まで乗り入れてみました。

訪れた時は今にも雨粒が落ちてきそうな天気だというのに、数人の釣り人の姿を見かけました。なんでも下根崎は三宅島屈指の魚影の濃い磯場だそうです。ちなみにWRの左後方のすぐの地点にも海に突き出た岩礁帯がありますが、そこではなくて、画像中央に岬状態で大きく海に突き出しているのが下根崎です。






下根崎へと連なる溶岩の岩礁の中に造られた湯の浜漁港

同じ場所から左手を眺めてみると、そちら側にも岩礁地帯が続き、すぐ先に湯ノ浜漁港の防波堤が見えています。海岸線を覆い尽くす岩礁の中から沖に向かってにゅっと防波堤が突き出していて、漁港は噴火で海に流れ込んだ溶岩でできた岩礁地帯を掘り込んで造られたということがよくわかる眺めです。






沖に向かって海中に連なる岩礁が頭を出しています

下根崎の手前に見えている岩礁を眺めてみます。沖に向かって海面に岩礁が頭をのぞかせていますが、打ち寄せる波が砕ける波濤が激しく白く泡立っていましたが、こういう場所の海中は岩だらけで相当ゴツゴツ状態になっているんだろうなぁ。






海風に乗って砕け散った波の飛沫が飛んできます

うおお、波しぶきが激しいな! 波にさらわれたら大変なのでこれ以上は近寄りませんが、今にも雨の降り出しそうな荒れた天候とあって、岩礁に打ち寄せて砕ける波しぶきは凄い激しさで、こうして眺めている瞬間にも頭上から飛沫を被ってしまいそう!






かつての噴火の様子を想像させる溶岩の岩礁まみれな下根先

海岸伝いに道を進んで下根先に近づいていくと、海岸の崖が崩れてそのまま海に突き出た岩礁の様子がよく見てきます。噴火の溶岩が造りあげた荒々しい地形ですが、それは海にどろっと流れ込む溶岩の動きをそのまま停止させたような眺めでした。

そうなると岩礁伝いに歩いて岬の先端まで行ってみたくなりますが、とてもじゃないけどそれは無理! そこまでしなくても眺めはここからでも十分ですよ。






三宅一周道路方向と下根崎への分かれ道

さらに海沿いに進むと右折路のある分岐地点が現れますが、道標が立っているので迷うことはありません。右折すると都212号線(三宅一周道路)に至り、道なりの直進側は行き止まりですが、そこを進むとさらに下根崎に近づけます。






道標に記された「下根崎」の文字

分かれ道に設置されている道標です。直進方向は「下根崎 Akonzaki」、右折方向は「三宅一周道路 Miyakejima Around Road」と示されており、神着付近のマップも掲げられているので、これで現在地と進むべき方向がすぐに分かります。






観光客はまずやって来ない荒涼とした海が広がります

道標に従って直進、下根崎に向かう崖に面した道を進みます。海の眺めは良いですが、風が少し強かったかな。潮風がいつも吹き付けられているせいで、転落防止のガードレールが赤茶色にサビまくっていました。この道を進めば下根崎はすぐそこです。






岩礁というか巨岩が堆積するダイナミックな下根崎

やがて道路はプツリと途切れて行き止まりとなりますが、そこからは下根崎の様子がよく眺められます。おびただしい量の四角ばった溶岩の巨岩が崖から海中に向かって崩れるように堆積していました。大きさを比較できる人工物がないので実感できませんが、岩石の一つ一つは人の背丈を優に超えるかなりの大きさとみた!






海に突き出た下根崎の岬の上には名も無き小さな展望台が!

ちなみに海岸伝いに下根崎の先端まで近づくことはできませんが、別の地点から近づくことはできます。いったん都212号線(三宅一周道路)に戻り、三池港方向に200mほど進んだ先の左折路に折れると、さらに別れ道があるのでそこを海の方向に直進します。そこは行き止まりで超がつくような鬼坂ですが、その先に展望台があるんですね。

場所は下根先の岬のちょうど真上でしょうか。右手には伊ヶ谷地区に架かる三宅一周道路の青い「大船戸大橋」も見えていますが、ここはかなり穴場な展望台。行き止まりの劇坂で道も細いので観光客もほとんど気が付かないしやって来ないと思います。






雨で濡れて滑りやすくなっていた急な階段

話は元に戻って、それ以上は下根崎に近寄れない行き止まり地点で海岸に下りる階段を発見! でも、濡れて滑りやすそうな急傾斜のこの階段を下るのは躊躇われました。ついに小雨がぱらつき始めたなか、滑って転んだら怪我どころでは済まないでしょう。






限りなき広がりをみせる下根崎から眺めた水平線

海は広いなぁ! 小雨で濡れた寒暖で滑っては大変なので、階段の上から海を眺めてみました。眺めているのは房総半島の位置する方向ですが、そこには見渡す限りの大海原が広がる水平線が広がっているだけ。どうしたって広大さを感じてしまいます。

それにしても下根崎を「あこんざき」と読ませるなんて、普通は絶対に読めないです。その読み方の由来は一体なんなのだろうと思ってしまいますね。

ちなみに海岸特有の地名のなかでも岩礁を含む浅瀬に付けられた呼称は莫大な数があって、あるものは広範囲に渡って一定の海域に、あるものは局地的に分布しています。下根崎の「根(ね)」もその一つで、「海中における岩礁の間、あるいは海藻の発生する場所で魚類の生息所」や「海中の岩」、または「暗礁」を表し、静岡県御前崎付近から南は伊豆諸島〜小笠原諸島、北硫黄島におよぶ海域に分布するらしいです。






快晴時とは異なった趣をみせる小雨の降りしきる海

降りしきる小雨でさざ波立つ下根崎の海。どんよりとした鉛色の空と水平線の境界が不明瞭で、じっと眺めていると吸い込まれてしまいそうな怖さがありました。

穏やかそうに見える海ですが、聞いた話ではこういう状態が怖いらしいな。台風の時みたいにうねっていたり、あからさまに波立っていないため、油断して沖に出てしまい、そのまま速い潮の流れにさらわれてしまうんだって・・・。

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